竹野はる / Sunny ✎Webライター✎

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【サンプル記事】介護職が人間関係でストレスを溜めない為にできる3つのこと。

高齢社会に突入した日本において、介護の仕事の需要はますます高まってきています。介護の仕事はやりがいがある一方で、人間関係や人手不足、労働条件など様々な理由から悩みがつきない職業です。とりわけ人間関係は複雑で、多くの介護職が人間関係を理由に退職している現状があります。この記事では介護職を取り巻く人間関係とその実態、そして対策についてご紹介していきます。

 

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多くの介護職が人間関係で悩んでいる

介護労働安定センターが令和2年度に実施した介護労働実態調査によると「職場の人間関係」を理由に退職した介護職は全体の16.6%にのぼります。これは第1位である「結婚・妊娠・出産・育児(25.0%)」に次ぐ第2位の理由となっており、多くの介護職が職場の人間関係で悩んでいることが分かります。

 

参考:介護労働安定センター

http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2021r01_chousa_cw_kekka.pdf

 

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どんな人間関係があるのか

介護の職場と一言で言っても、そこには様々な人間関係が錯綜しています。
どんなものがあるのか、まずは詳しく見ていきましょう。

 

①介護職同士

利用者のことを現場の最前線で直接ケアする介護職。同じ介護職という職種であっても年齢・経歴・先輩・後輩、介護に対する想いなども人それぞれ異なります。チームで支援する介護サービスにおいては価値観の違いから人間関係にほころびが生じやすい関係といえます。

 

②その他の職種や上下関係

「多職種連携」と言われるように看護師・リハビリ職・ケアマネジャーなど専門職と関わる機会が多いことも介護職の特徴の一つです。それぞれの専門性から意見がぶつかり合うこともあります。「看護師は上・介護職は下」などあってはならない職種の序列がみられる現場も実際には多くあるのは事実です。また、上司や部下との関係も仕事をする上で切り離せません。「相談しているのに上司が取り合ってくれない」「上司と部下の板挟みになってしまう」などの悩みはよく聞かれます。

 

③利用者・その家族

利用者あっての介護職ではありますが、利用者と一言で言っても当然ながら色々な方がいます。人間同士なので合う合わないはあるにしろ、中にはいきすぎた要望、暴言・暴力を行う利用者もいるので対応で疲弊することもあるでしょう。また、利用者の家族には召使いかのように無理難題を言われることも少なくなく、ハラスメント被害を受けるケースもあります。こうなれば事業所と利用者家族の問題に発展してしまうでしょう。

 

特に①②の関係性においては、お互いのことを認め合い尊重できるオープンな人間関係ならば悩むことも少なく、寧ろ良い関係を築いているチームと言えます。しかし、この状況が陰口や差別、ハラスメントに繋がることも多く、職場の人間関係が悪くなってしまうことも多いのです。

 

 

ストレスをため込まない方法

以上のような複雑な人間関係から、介護職は心労がたたりやすくストレスが溜まりやすい職業であると言わざるを得ません。更に対人援助職である介護職は「燃え尽き症候群」になりやすいとも言われています。ストレスをため込まずこまめに発散することができるよう、誰かに話を聞いてもらったり、趣味に没頭する時間を設けるなど、意識的にリフレッシュすることが大切です。場合によっては転職や異動を検討してみましょう。

 

①誰かに話を聞いてもらう

モヤモヤした時に誰かに話をすると気持ちが楽になったという経験はありませんか。人間関係の悩みも同じです。一人で抱え込まずに家族や友人などに話すだけでも気持ちがスッキリしたり、時に適切なアドバイスをもらえることで何らかのヒントを得ることができるでしょう。

上司や本部の人に相談するという手段もあります。介護の現場は人手不足の職場も多いため、あなたにやめられてはかなりの痛手です。引き続き働いてもらうためにも一緒に対応策を考えてくれる場合も多いので、一度話をしてみるのも効果的です。

 

②趣味に熱中する

何かに熱中した後はなんだかスッキリした気がしませんか。お料理や読書など楽しいと思えることにたとえ10分でも熱中してみてください。その間は嫌なことを考えなくてすみますし、仕事以外のことに情熱を注げることがあれば、レジリエンス(精神的回復力)が強くなることが期待できます。体を動かすことが好きな人は、適度な運動をすることでセロトニンなどの心を安定化させるホルモンが分泌されるため、心の健康にも役立つでしょう。

 

③異動や転職の検討をする

介護の仕事は好きだけれど今のチームや職場にストレスを感じ「やめたい」「つらい」と思っている人は、異動や転職を検討することも視野に入れても良いでしょう。また介護業界の別の職種を目指すのも選択肢の一つです。ひとつの場所や職種で長く仕事をすることも素晴らしいですが、たくさんの場所で経験を積むことも介護の仕事をしていく上であなたのキャリアアップにつながります。

 

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良好な人間関係を築くための方法

介護職で良好な人間関係を築くためにあなたができることはたくさんあります。次のようなことを意識してみましょう。

 

①派閥やグループからは距離を取る

派閥やグループがあることの多い介護の現場。それらと適度に距離を保つことが大切です。どこにも属さず誰とでも分け隔てなく接することで、おのずと周囲の信頼を得られるようになります。

 

②噂話や悪口には参加しない

噂話や悪口は尾ひれや背びれをつけて広がっていくものです。その時は楽しく話をしていても、思わぬ形で人の耳に入ってしまい、結果人間関係が壊れてしまうことにつながります。「あなたもそう思わない?」「どう思う?」など意見を求められても「私はよく分からない」とさらりとかわすのがコツです。嘘か誠か分からない情報に振り回されると、あなた自身が損をしてしまいます。

 

③相手の話を受け止める

職場の人や利用者、その家族、価値観は人それぞれなので、あなたと意見が食い違うこともあるでしょう。無理に肯定する必要はありませんが、相手の話にうなずいたり「なるほど」というように、いったん相手の話を受け止めてからあなたの意見を言うようにすることで、スムーズに話が進みます。

 

まとめ

いかがでしたか。介護職は対人援助職でありチームでケアをしていくことから、介護職をとりまく人間関係は複雑な傾向にあります。しかし、お互いの足を引っ張り合うのではなく、それぞれの専門的知見から気持ちよく意見を言えるチーム作りを行い、それを利用者やその家族に、支援として還元することが信頼関係の構築につながるのです。
やりがいがあり尊い仕事である介護職。一人ひとりが意識してチーム作りをすることで、利用者への素晴らしいサービスの提供をすることはもちろん、職場の人間関係でその担い手を失わずに済むことができるのです。