「一人っ子はかわいそう」はもう古い。本当はすごい選択一人っ子のリアル
「一人っ子なんてかわいそうだし、わがままに育つ」
一人っ子に対して、ネガティブなイメージを持つ人もいらっしゃるかもしれません。
しかし最近では、あえて一人っ子を選択する「選択一人っ子」が注目されています。一人っ子は一人っ子なりに、たくさんのよい面があるからです。
本記事では、一人っ子を選択した筆者が、一人っ子を選択した理由やメリット・デメリットについて、自身の体験談を含めて紹介します。不安を抱きながら一人っ子を育てている親御さんの参考になれば幸いです。
一人っ子を選択した理由
一人っ子の子育てに迷いや不安を抱いている人にとって、他の人が「なぜ一人っ子を選択したのか」の理由は気になるでしょう。
ここでは、どのような理由で一人っ子を選んでいる場合が多いのかを紹介します。あなたの悩みの内容も、どれかに当てはまるのではないでしょうか。
経済的に二人も育てられない
内閣府による平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査によると、中学卒業までの子育て費用は約1,900万円かかるとの結果が出ています。義務教育後に高校や大学に進学すれば、さらに費用が必要です。
子育てには非常にお金がかかります。自分達の老後のお金も貯めておかなくてはなりません。しかも増税や物価上昇などで厳しいご時世、さらに経済的負担が増える可能性もあります。経済的に余裕がなく、一人っ子を選択する場合が多いのです。
参考:内閣府政策統括官(共生社会政策担当)|平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_hiyo/pdf/gaiyou.pdf
一人育ててみて二人の子育ては無理 だと思った
子育ては、体力的にも精神的にも大変な面が多いです。例えば、子どもの夜泣きで満足に眠れなかったり、自分の時間を充分に取れなかったりします。
またワンオペとの言葉があるように、一人で育児を担う人も多いでしょう。一人で抱え込み、知らず知らずのうちに心身を蝕んで病気にかかるケースもあるのです。
子どもはとても愛しく尊い存在です。子育てをしながらそう感じる親御さんも多いでしょう。
一方で、つらかった育児の経験は二度とできないとの想いから、一人っ子の選択に至る場合があります。
自分はもう一人欲しいけど夫に反対された
自分はもう一人子どもを授かりたいけれど、夫が首を縦に降らないケースです。夫が反対するのにもさまざまな理由があります。
たとえば妻よりも夫の方が、経済的な不安を感じていて反対する場合です。また一人目を育てている妻の様子をみて、二人目はやめた方が家内安全になると考えるケースもあります。
夫の母親が裏で糸を引いている場合もあるでしょう。夫の母親が何らかの理由で反対し、言いくるめられた夫自身が反対するマザコンパターンです。
努力したけど授からなかった
夫婦ともに二人目を希望し、自らタイミング法をしたり病院へ不妊治療に行ったりと、努力したけれど授からなかったケースです。
二人目を希望している夫婦の場合、二人目を諦めて選択一人っ子と決断するのはかなり勇気がいるでしょう。一人目は授かっているため授からないわけがないと思い、なかなか諦められないものです。
一人っ子でいこうと決めたとしても、やっぱり二人目がほしいと思うなど決意が揺らいでしまう場合も少なくありません。
選択一人っ子にするのメリット
ネガティブな面ばかり取り上げられる一人っ子。一人っ子といえば「わがまま」との言葉を連想する人も多いでしょう。
しかしあまり知られていませんが、一人っ子にはよい面がたくさんあるのです。
ここでは一人っ子を選択した場合のメリットを紹介します。メリットを知れば一人っ子である後ろめたさが、軽減するかもしれません。
子どもにしっかり向き合える
一人っ子の場合、親が子どもにしっかり向き合えるのが特長です。「下の子の世話が大変で、上の子が放ったらかしになっている」「上の子の習い事が忙しくて、下の子は何もやらせられない」など、後ろめたさを感じることはないでしょう。
また一人っ子は、両親からたっぷり愛を注がれ育てられています。自分だけと向き合ってくれるのが当たり前の状況で育つため、情緒が安定したり行動が落ち着いたりする子が多いのです。
子どもにお金をかけられる
一人っ子の場合は、世帯の収入・資産状況にもよりますが、子どもに掛けられるお金が多くなる傾向にあります。
前述した通り、子どもを育てるにはお金がかかります。子どもが複数いれば、人数に比例して子育て費用も増えるのは当然です。
一人っ子であれば、習い事や進学など、教育費にお金を掛けやすくなります。「まだ下の子にお金がかかるから、あなたは公立にいって」など、複数の子どもがいる家庭と比べると、進路を制限しなくてもよいでしょう。
ゲームやおもちゃ・洋服など、子どもが欲しいものを値段によって躊躇する必要はありません。子どもにお金をかけられる分、子育て環境もコントロールしやすくなります
自分に余裕ができる
一人っ子の子育ては親の余裕を生みます。まずは金銭面の余裕です。子どもにお金がかかるから、自分の服を買わなかったり美容院に行くのを我慢したりする必要がなくなります。
またお金だけではなく、比較的時間に余裕を持ちやすい傾向にあります。子育ても一人にじっくり向き合えるため、心にゆとりをもてるでしょう。
お金・気力・体力ともに自分でコントロールしやすくなります。周りからみても一人っ子を育てている親は、どこか余裕があるようにみえるのです。
兄弟のデメリットがない
兄弟がいれば、一緒に遊んだり助け合えたりするメリットがあります。一方で兄弟がいるからこそ起こるトラブルがあるのも事実です。
たとえばケンカです。おもちゃを取った取られた・順番を抜かした抜かされたなどがあります。小さなうちは仕方がないかもしれませんが、大きくなってから親の介護問題や遺産相続などでトラブルが起こる可能性もあるのです。
兄弟が不仲になったり争ったりする姿は、親としてつらいものがあります。しかし一人っ子の場合は、不仲や争いごとなどのトラブルが起こったり兄弟がいるデメリットを受けたりする心配がないでしょう。
選択一人っ子の筆者が体験した、一人っ子のデメリット
筆者の子どもは選択一人っ子です。一人っ子を選択した理由はさまざまですが、ひとつは「二人目は欲しいけれど、一人目が大好きすぎて二人目を可愛がれなかったらどうしよう」との不安からでした。随分悩みましたが、結局一人っ子を選択しています。
今では一人っ子のメリットを存分に味わいながら、楽しく生活できているため選択一人っ子にしてよかったと思っています。
しかしそんな私でも一人っ子のデメリットや洗礼を受け、嫌な思いをした経験があります。デメリットや洗礼は、何といっても周りから色々言われる点でしょう。以下、私が実際に周りから言われた言葉を紹介します。
- 一人っ子はかわいそう
- 1人しか育ててないのに、余裕があってずるい
- 作り方下手なんじゃないの
- ○○さんは一人っ子だから自分勝手
1はあいさつ代わりによく言われるため、たいして気にもしていません。2は「少子高齢化に複数の子どもを育てて大変な思いをしているのに、優雅な一人っ子の親が許せない」というやっかみの気持ちから出る言葉です。
3は公園ではじめて会った気さくなおじいさんにいわれました。セクハラ発言です。最後の4はつい先日、子どもの個人懇談会で担任の先生からいわれた言葉です。耳を疑いました。
今までの日本の社会背景から、まだまだ色々と言われる一人っ子。しかし何事も違った側面を持っているものです。周囲は気にせず、一人っ子親生活を楽しみましょう。
まとめ
「一人っ子はわがまま」「一人っ子はかわいそう」
一人っ子に対するネガティブなイメージは、まだまだ根強い傾向にあります。しかし経済的な問題や不妊など、さまざまな理由で一人っ子を選択する人が増えているのも事実です。
一人っ子だからと周りから色々と言われる場合もありますが、一人っ子はプラスの面も多く、親も子どもも満たされる要素が盛りだくさんです。
積極的に一人っ子を選択した方も、欲しかったけれど授からなかった方も、一人っ子の子育て特有の悩みがあるでしょう。本記事が少しでも悩みを軽減させられれば幸いです。